YO−YO's

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第14回「技工の上にも10年」

yo-yoも早いもので技工士になって丸10年。のたび11年目の春を迎える。 10年間という言葉から感じられる重みは実感として全く無い。 毎日毎日会社へ行き、仕事をコツコツとこなしていた10年間。 10年を時間で置き換えてみたり、作った物を山のように積み上げたりして、 時間を形で表せたなら、少しは10年間やってきたことがわかったりするのかな。

専門学校を卒業し、国家試験に合格し、地元のラボに就職。

  初出社の日、yo-yoはHR部に配属され、単冠の模型2個をあてがわれ、 wax upをし埋没した。それがyo-yoの初仕事。今でも鮮明に覚えている。 学生時代、歯型彫刻はなんとなく臼歯部中心でやっていたので、前歯部の形成にかなり緊張した。 そして、窓開けやらなにやら、硬質レジン前装のことが書いてあった教科書を思い出し頭のなかでページを必死にめくっていた。

家に帰り、初出社の感想を聞いてきた親に「今日は2本作ってきた」というような説明をした。 それを聞いた親は「初日から仕事できるなんて、さすが専門職だね、国家資格持ってると違 うね〜」と感心した口調で話した。それを聞いて気分が良かっ た。 そうだよ、ちゃんと国家資格を持ったテクニシャンなん だよ!と少し心の中で自負心が生まれた瞬間だったと思う。

そして月日が流れた今現在もHR部に属している。 初日の単冠2本から少しずつ少しずつ、こんなyo-yoでも成長し、今ではとりあえずどんなケースでもこなせるようになった。

ある時、仕事量が多くて、とんでもなく忙しい時期を抜けると 、自分の手が早く動くようになっている事に気がついた。   いつもより早く仕事がおわる。 何となく快感。 いつもと同じ量の模型作りが30分はやく終わる。 快感。 初めてフルマウスのケースに挑戦した時は、やってもやっても 形成が終わらず、「あ〜めんどくさい!!」と心底思った。3 本ブリッジがホントにかわいく見えた。 最近は、余裕があるときは楽しんで仕事に向かえる時もある。 そんなときは専門誌なんかで仕入れたテクニックを試してみた りする。

10年の間、yo-yoは会社を変えることなく同じラボに在籍している。 20代半ばの頃は野心が強く、会社への不満がつのったり、もっと違う技工の世界に飛び込みたかったりしたが、 結局行動に移せず、現状維持。 気がつけば会社でも中堅のポジションにいるのです・・・。  でもまあ、こうやって考えてみると、会社での上司からの信頼や、 後輩達からいろいろアドバイスを求められたり頼られたりというような立場と、 もちろん自分の身についたテクニックや自信など、 10年間でyo-yoが手にした物はたくさんあるんだなぁとしみじみ実感。 もちろん、そのかわりに犠牲にした物もちらほらありますが、そんなことは今は思い出さずに〜。

「石の上にも3年」という言葉があります。  yo-yoは考えます。技工士3年目の私に、何が出来ただろうかと。  その当時の私は毎日毎日、目の前の仕事にてこずり、一 人前という言葉からは程遠い場所にいたなぁ。  11年目の 今のyo-yoも目の前の仕事に悪戦苦闘していることには変わり なのだけど。

技工の世界ではいったい、「石の上に」何年座っていればいいのかな。 まだまだ自分の座っている石が冷たく感じるyo-yoな のでした。


YO-YOでした


吠えろ歯科技工士